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超高速ストリームデータ収集系開発のための仕様調査

Magnetics計測インタビュ~

 

日時:平成13年3月5日(月)

出席:榊原(Magnetics計測),中西(データ処理),NIFS研究棟3階にて

 

§1.Magnetics計測の現況

 

Magnetics計測には,大別してプラズマの平衡をみる磁場平衡計測と,MHDに関連して揺動磁場の変化を見る磁場揺動計測とがあり,いずれもデジタイザのサンプリング速度は100kHzだが,前者は~10ch,後者は196chをもっている.

 

長時間のプラズマ放電時の計測に対応するため,平衡計測用には,VMEをベースにした新計測システムを計画しており,現在,CHSでのプロトタイプ試験機が設計・開発・製作発注済みである.

 

このシステム開発の最大の目的と特徴は,従来までのアナログ方積分器では数10秒以上の長パルス運転時に,オフセットドリフトが無視できなくなるため,リアルタイムのドリフト補正機能をシステム側に持たせた新設計の積分器を利用している.

 

このシステムはピックアップコイル全体196chをカバーするものではなく,あくまでもWp, Ip, Mp, Saddleループなど数点の信号(6ch+13ch)に限定して利用する.その他の約200chの信号のデータ収集については,未だ収集計画が確定されていない.

 

§2.新平衡計測システムの仕様条件など

 

·       アナログ入力信号チャネル … 10ch 微分信号 (磁場揺動用ピックアップコイルは全196chある)

·       入力信号のサンプリングレートは,100kHz

·       積分時間 … 2ms

·       1chアナログ入力をマルチプレクサで1/3ずつ時系列分割して,それぞれをA/D変換後,数値積分.

·       1/3ずつの積分波形を足し合わせて積分信号を復元.

·       納入業者はVMEシステムを扱う丸文商事

·       基本ソフトはCHSで高橋さんが組込み用途に使っているCINOSで言語レスで実装

 

§3.磁場揺動計測

 

現在,100kHzで通常のCAMAC ADCにてバッチ・サンプリング&処理している.チャネル数は196ch.これらのデータをリアルタイムで処理する具体的計画は今のところ無い.データ解析・表示方法としては,現在以下の通り.

 

·       時系列2048サンプルでFFTをかけている

·       空間的なモード数(m,n)を算出するのに最低空間点22chが必要だが,全196chを使用できればより良い

·       モード数計算のルーチンは,各chの相互相関を取って位相差を出すもの

·       磁場(揺動)の内部構造を再構成して等高線(contour)図などに表現するには,モデルを仮定する必要があり,実験データのリアルタイム表示としては,曖昧性が入るので余り積極的には行いたく無い.

 

また,リアルタイム処理に望む仕様としては,

 

·       画面出力のリフレッシュは必ずしも連続的である必要は無く,1秒~5秒程度までの更新レートでもよい.

 

遠い将来に実現してみたいシステムとしては,

 

·       磁場揺動により磁気島が生成しているような場合,揺動成分の波形位相に同期させてCD波を入射することで,磁気島の抑制が可能となるので,磁気島制御に利用してみたい

·       サドルディテクタ・ループコイルと制御用ループコイルとを設置し,サドルディテクタで検出した揺動成分に反応させて制御ループにフィードバック信号を送る能動プラズマ制御実験も試みたい.

 

§4.リアルタイムデータ表示

 

リアルタイムに表示を行いたい画面のうち,Wp, Ipなど平衡に関する諸値は1次元データなので通常のx-tプロットでよい.表示として面白いのはやはり揺動計測の結果で,以下のようなプロットがあれば,望ましいと考えられる.

 

·       Power Spectrum Density(PSD)の時間変化をカラーcontourプロット: 196ch全てを表示する必要は無いが,1ch 2048サンプル(100kHz)毎に区切ってFFT計算し周波数成分に変換.横軸:時間,縦軸:周波数のグラフで,周波数成分が強いところは赤く,弱いところは青くカラー表示し,どの周波数の揺動波が立っているか,またその時間変化を一目で判るように表示する.

·       Coherence contour plot: PSD contour plot が周波数成分だったのに対し,空間のプラズマモード数(m,n)の各成分強度をチャネル間の相互相関解析によって算出,縦軸:(m,n),横軸:時間で同じく強度の強いところを赤,弱いところを青くするなどでモード数成分の時間変化を表示する.

·       モード数毎の成分強度変化: 縦軸:モード成分の強度,横軸:時間で(m,n)=(1,1),(2,1),(2,2),...のそれぞれの成分強度変化グラフを縦に幾つか並べてx-tプロット.

·       磁気面表示: 縦長断面位置,横長断面位置での内部磁場構造をcontourプロット.磁気島が生成しているなどがリアルタイムで見られると面白い.がモデル導入が必要な点は留意.(オプションとして)

 

以上のほかにも何か面白い(インパクトのある)表示方法が無いかどうか,少し考えてみたいので,検討する時間を下さい(榊原氏談)とのことでした.