v.s.0.8

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タイミングシステムの構成の解説

タイミングシステムは、変調器と復調器から構成されています。


変調器の役割
(1)基準クロック(標準で10MHz)を復調器に出してシステム全体のタイミングの同期 を取ります。


(2)中央制御システムなどからトリガー信号を受けて、タイミングトリガーを複数の 復調器に送ります。


(3)VMEバス(ネットワークから)からの司令または変調器のパネルへのトリガー入力で イベントを発生させそれを復調器に送ります。


トリガーイベントは実際には基準クロックに変調をかけて情報を送りますのでクロッ クと同時に送られることになります。


(4)別の変調器からの基準クロック及びトリガーをうけて、そのまま復調器に送りま す。この場合変調器は単なる中継器として動作し上の(1)(2)(3)の役割は果たしません。 この切り替えはVMEで行います。

復調器の役割
(1)トリガーパルスを出します。
(2)分周クロック(ADコンバーターの外部クロック用)を出します。


変調器から送られてくるトリガーで復調器内部のカウンターがカウントダウンを始め ます(run状態)、予めPlasma.EXEPlasma.EXE で内部レジスタに設定された時間になる とパルスを出します。


クロックはシステム全体の同期を取るために変調器から送られてくるものを使いま すが、内部発振器(10MHz)でも動作します。


また変調器から送られてくるイベントで制御(トリガー待になったり、止まったり)さ れます。
タイミングシステムの全体構成は、次の図の様になっています。


現在は主変調器に直に復調器が繋がっていますが、将来的にはこのようなスター構造 になります。

復調器のパネルの解説

左上から順に解説していきます。
PHOTO IN とEVENT OUTPUT以外の入出力は全てLEMO端子のTTLレベルです。
注意
出力にケーブルドライバーアンプなどは入っていませんので、ケーブルを長く伸ばす場合や、50Ω終端が必要になるような周波数で使う場合は、バッファーアンプを使ってください。


CLK OUT 同期クロック出力(1)
変調器から送られてくるクロックに同期したクロックが出ます。


DVD1-2 分周クロック出力(2)
変調器から送られてくるクロックを分周したクロックが出ます。ADコンバーターの外部クロックとして使用できます。周波数はPlasma.EXEで設定します
DVD1はOUT1とDVD2はOUT2とANDがとってあります。OUT1とOUT2の信号がHiの時のみ方形波がでます。。


○D.P OUT1-8 LED パルス出力 LED(3)
トリガーパルスがでます。トリガーが出る時間、トリガーの数、パルス幅、周波数を Plasma.EXEで設定できます。横のLEDはカウントダウンが始まったときに一瞬点灯し ます。(トリガーパルスが出る時間ではありませんので注意してください)


MODO 0-1 LED動作モード表示(4)
送られてきたトリガーの動作モード2進数で表示します。       


SET UPLEDセットアップ表示
セットアップの状態(Ready状態)であることを示します(図に誤りがあって載ってませんが、動作モード表示の下にあります)。


ERRORLEDエラー 発生表示(5)
送られてきたメッセージがエラーになったことを表示します。


MESSAGE LEDメッセージ表示(6)
メッセージを受信したときに光ります。


Clock LEDクロック表示(7)
クロックを変調器から受信しているときに光ります。


RUN LEDRUN状態の表示(8)
RUN状態(カウントダウンしている)のとき点灯します。


INTERUPT LED割り込み表示(9)
VMEに割り込みをかけている時点灯します。


INPUT ENB 入力許可(10)
パネルのテスト用トリガー入力端子(TRIG.端子、光入力ではない)が有効になってい るか無効かを表示します。


PHOTO IN 光入力端子(11)
主変調器に光ケーブル(FCコネクター)でつなぎます。


SIG. BUS 信号バス出力(12)
同期クロック(PHOTO INの入力)を他の復調器にLEMOケーブルで分配するときに使います。


INHIBIT LED インヒビット入力(13)
トリガーが入るとインヒビット状態になります。横のLEDはインヒビット状態の時に点灯します。インヒビットはインターロックなどに使用します。
注意
インヒビットは、現状では不安定なので何も繋がないでください。繋ぐとトラブルの原因になる可能性があります。

TRIG. トリガー入力(14)
外部からテスト用トリガーを入れるときに使います(この場合スタートチャンネルは無 効になります)。INPUT ENBLEDが消えているときは使えません。ON/OFFは Plasma.EXEで設定します。


EVENT OUTPUTイベント出力(15)10ピンHIF3リボンコネクター 復調器が受け取ったイベント(8ビット)を出力します。

プラズマ設定プログラム(plasma.EXE)の解説

四つの設定画面の解説をします。


注意事項

BASE FREQUENCY DELAYの各タブの設定はDefault set又はRealtime setをクリックしてはじめて有効になります。
単に値を書き込んだだけでは何も起こりません。
○Default setは次に電源を入れたときの初期設定になります。現在の設定は変更 しませんので注意してください。
Realtime setは現在の設定値を変更します。現在の設定値のみを変更する場合は こちらをクリックします。
現在の設定がどうなっているか知りたい場合は、一度OKボタンをクリックして画面を閉じた後再度開いてください。その時表示される値が現在の設定値です。

BASE基本設定

基本的な設定を行います。


Move Mode 動作モード(1)
動作モードの設定を行います。0-3から選びます。この設定が上流の変調器から送られてくるトリガーの動作モードに一致する時のみ復調器は動作します。動作モードに関してはここを参照してください。


Triger トリガー ON OFF (2)
復調機のパネルについているトリガー入力端子を無効にできます。


Clock sourceクロックソース (3)
変調器から送られてくるクロックと復調機内部のクロックを切り替えることができま す。内部クロックの場合は1MHzと100kHzを選ぶ事ができ100kHzを選んだ場合は時間 分解能は悪くなりますが、最長設定時間は10倍に伸びます。


EventOutイベント出力 (4)
offにすると復調機のパネルについているイベント出力端子からの出力を行わないようにすることができます。イベントについてはここを参照してください。


Interrupt割り込み (5)
onにするとVMEで動いているvxWorks上のプログラムに割り込みをかけることができるようになります。
割り込みはトリガー入力、イベント入力、アンインヒビット、インヒビット、エラー 発生、クロックエラー発生、セットアップ入力、ストップ入力で発生させることができ、 またそれぞれ発生させるかさせないかを選ぶことができます。
現状では割り込み機能は不安な面があります。誤作動するとしVMEからの通信が一切できなくなるという問題があります。したがって割り込み機能を使わない場合はDisableにしてください。また割り込み機能を使う場合も必要な割り込みのみEnableにしてください。


Internal Delay Time 内部遅延時間 (6)
変調器に入力されたトリガーと復調機から出力されるトリガーの、微妙なずれを調整 することができます。


Timer trigger select channel 内部タイマー選択チャンネル (7)
内部タイマーの開始をどのスタートチャンネルで始めるか選ぶことができます。内部タイマーは、カウントダウンが始まってからの時間を1s単位で知ることができます。ここを参照してください


Timer Clear1秒タイマークリアフラグ(8)
内部タイマーのゼロリセットをクリアフラグできないようにします。クリアフラグは 現在S10(シーケンス終了) で出るようになっています。

Manual マニュアル操作

マニュアル操作でトリガーを出したり復調機にイベントを送った送られてきているメッ セージを読んだリできます。


Trgger sendトリガー送信 (1)
ボタンを押すことによりマニュアルモードでトリガーを送ることができます。1-8の 番号はスタートチャンネルを表しています。


Even message Read イベント読み込み (2)
復調機が受け取った最新のイベントメッセージ(8bit)を16進数で表示します。


Event out イベント送信 (3)
イベントメッセージを値で指定して復調機に送ることができます。値は10進数(0- 255)または16進数(0x00-0xff,0xを頭に入れる)で指定します。


inhibit unihibit SetUp Stop Reset
インヒビットアンインヒビットセットアップストップリセッ トボタン (4)
各イベントを復調機に送ります。


Recieve message read メッセージの読み込み (5)
復調機が受け取った最新のメッセージ(32bit)を16進数で表示します。


Timer Read 内部タイマー1秒タイマー読み込みクリア (6)


内部タイマーの値を読み込む、又はクリアできます。

Frequency分周クロック周波数


分周クロックの設定をします。
分周クロックは2ch.あります


設定周波数は
Magnification(1-9) X Range(0.1μ-100ms)
で値を設定します。


注意
分周クロックDVD1はch.1 のトリガーが出ている間(出力Hiになっている間)のみパルスが出ます。同様にDVD2はch.2 のトリガーが出ている間のみパルスが出ます。それぞれのパルス出力のチャンネルとandがとられていることになります。つまり分周クロックの出力は、いつも出ているわけではないということに注意してください。
必ず分周クロックを使うときはDelayタブでch.1の設定も行ってください。



Delay遅延時間設定

8ch.あるトリガーチャンネルのパルスの設定を行います。
分周クロックを有効にするにはch.1、ch.2の設定を行います(Frequencyタブの注意を参照してください)。



以下は下図の赤枠内を参考にしてください
Delay time Td 遅延時間(1)
計測開始トリガー(120s前)から何秒後にパルスを出すかを設定します。ただし基準 (0s)は計測開始トリガーから120s後の放電開始時間です。0sを設定すると計測開始ト リガーが来てから120s後にパルスが出ます。計測開始トリガーからの直後例えば5秒後 にトリガーが必要なら-115s(放電開始115秒前)を設定します。もちろん-120sより早いDylayの設定はできません
(設定範囲はは -119.99998sから約310s(32bit))

注意
遅延時間(Delay Time)の設定を-119.99999(-119.99998は問題なし)以上 に早くすると復調器がfreezeします。必ず設定は-119.99998sより遅い時間に設定してください。


Pulse widthTw パルス幅(2)
パルス幅を指定します(上限は32bit 約430s)。


Repitition くリ返し数(3)
何発パルスを出すか指定します(上限は65535)。0ならパルスは出ないので注意してください。


Repitition time Tr 繰り返し時間(4)
パルスが出てから次のパルスが出るまでの時間を指定します(上限は32bit 約 430s)。必ずパルス幅Twより大きな値を設定してください。(パルスが一発の場合も設定が必要です)


Start CH スタートチャンネル(5)
スタートチャンネルを指定します。

用語解説

動作モード
変調器が復調器に送るトリガーに実験中、調整中、テスト中などの実験の状況応じた 動作モード番号を(0-3)を割り振ることができます。
復調機側で動作モードを選ぶことにより例えばある復調機を実験中のみ動かし調整の 時には動かないようにするようなことができます。


スタートチャンネル
変調器には8チャンネルのトリガー入力端子がついています。変調器が出すトリガーはこのうちどのチャンネルに入力されたトリガーか識別する情報を持っています。復調機側で自分が使いたいトリガーを選ぶことができます
(どれでもと言う選択はできないので、かならずいずれかのチャンネルを選ばなければなりません。特殊な使い方をしない場合、現在はch.1に本体側からのパルスが繋がれているので1を選んでください。)。


タイミングメッセージ
変調器から光ファイバーを通して同期クロックとともに(実際には情報はクロックに変 調をかけることによって送られてきます)メッセージ(司令)が送られてきます。復調機は このメッセージにしたがって動作します(もちろんメッセージが送られてくると必ずリア クションがとある言うわけではありません。)。
メッセージは1フレームは32bti長で


スタート同期情報(8bit)+
動作モード(2bit)+トリガー識別コード(6bit)+
イベントメッセージ(8bit)+
エラーチェックコード(8bit)


で構成されています。
メッセージは3回送られてきて、エラーチェックされ一つでも正しいものがあれば有 効となります。もし一つも正しいものがなければ、エラーとなります。


タイミングトリガー
タイミングトリガーは動作モードとスタートチャンネルで識別されます。復調機は予め設定した 動作モードとスタートチャンネルを持つトリガーのみに反応します。


イベント
イベントは変調器から光ファイバーを通してまたはVMEバス(つまりネットワーク)を 通じて送られてくる8bit の情報です。


現在以下のイベントの種類には以下のものがあります。
注意
まだシステムにバグがあり、この解説通りに正確に動作しない場合があります。例えばSTOP状態でもトリガーを実際には受けつけてしまう、等の問題があります。ただし通常の使い方をする限りでは、致命的な問題はないはずです。


(1)セットアップ
復調機をトリガー待ちの状態にします。setupの状態でないと復調機はトリガーを うけて動作する(run状態になる)事ができません。


(2)ストップ
内部カウンターを停止し(run状態が停止する)、setupを解除します。つまり復調

機は動作を停止します。再びsetupイベントが送られてくるまで、トリガーをうけて 動作する事ができません。


(3)リセット
ストップイベントに加えて、カウンターなど内部状態を初期化します。ただしレジスタの内容は(VMEで設定したパルス幅などの情報)初期化されず保存されています。このイベントは復調機が何らかの原因で暴走したようなときに送ってください。再びsetupイベントが送られてくるまで、トリガーをうけて動作する事ができません。


(4)インヒビット
全てのイベント、トリガーの入力を受け付けなくします(この状態をインヒビット状態と言う)ただしアンインヒビットイベントは受け付けます。アンインヒビットイベントで解除されます。


(5)アンインヒビット
インヒビット状態を解除します。


(6)接点信号s1-s10
LHD制御から送られてくるLHDシーケンスの接点信号S1-S10に対応したイベント です。現在は復調機では使われていません。パネルの前のイベント信号出力端子から 機器の制御などに取り出して使うことができます。


実験シーケンスで送られてくるイベント


実験シーケンスの間は次のタイミングで自動的に次のイベントが送られて来ます。


(a)setups3接点信号(-123s)
(b)triggerLHD本体側から直接送られてきます(-120s)
(c)stops9(約10s)放電終了信号です。これは実際のプラズマ放電の終了時 間とは違います。


つまり、復調器は放電開始10S後には自動的に停止し-123sまでトリガーを受け 付けません(動作しません)ので注意してください。

割り込み
変調器、復調機はVxWorks(VMEを制御しているリアルタイムOS)上のプログラムに 対して割り込み制御をかける事ができます。例えばトリガーに同期してVME上のプログ ラムを動かしたりとかエラーが発生したときに自動的に知らせるプログラムを動かした りできます(もちろんそのようなプログラムは作ればという話ですが)。残念ながら現状 では異常な割り込みが発生しVMEからの通信ができなくなるという問題がありますの で、Disableにして使ってください


エラー状態
メッセージが正しいものかどうかエラーチェックされます。メッセージは同じものが 必ず3回送られてきて、エラーチェックされ一つでも正しいものがあれば有効となりま す。もし一つも正しいものがなければ、エラー状態となります。

run状態
120s前トリガーをうけて復調器の内部カウンターが動作している状態です。この状 態で設定変更を行うと、暴走してしまう事があります。


1秒内部タイマー
run状態になってからの時間を1秒単位で計測するタイマーです。manual操作や論理 チャンネルを通して読むことができます。通常の場合は実験シーケンスの終了(s10)で 自動的にストップします。しかしBASEでTimerClearをoffに設定すると自動的には止 まりません